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「家族って、こんなに落ち着かない存在だっただろうか」
漫画『住みにごり』は、そんな疑問を静かに突きつけてくる作品です。
物語の舞台は、地方にある一軒の実家。そこに暮らすのは、父、母、姉、そして無職で無言の兄。主人公である29歳の弟が、久しぶりに帰省したところから物語は始まります。大きな事件は起きていないはずなのに、家の中には常に違和感が漂います。
怖い場面が連続するわけではありません。それでも、ページをめくるたびに「何かがおかしい」と感じさせられます。この感覚がとにかく癖になります。ホラーが好きな人、心理描写を重視する人、普通の家族ドラマに物足りなさを感じている人に刺さりやすい作品です。
『住みにごり』がなぜ高評価を集めているのか。その理由は、読み始めると自然と理解できました。
「住みにごり どこで読める」と調べる前に、まずはこの不穏な世界に触れてみてほしいです。
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あらすじ・ネタバレ

主人公の西田末吉は29歳。東京で働いていましたが、仕事を休み、久しぶりに実家へ戻ります。そこにいたのは、父、母、姉、そして35歳になる兄・フミヤでした。兄は長年働かず、ほとんど言葉を発しません。家の中には、言葉では説明しにくい重たい空気が流れています。
末吉の目には、兄の存在が異様に映ります。無言で奇妙な行動を取り、感情が読めません。まるで怪物のように感じる場面もあります。ただ、物語が進むにつれて印象は変わっていきます。兄は母の頼みを守り、人に対して不器用ながらも優しさを見せます。
父は酒癖が悪く、感情の起伏が激しい人物です。家庭内では威圧的で、外では女性関係にだらしない一面も描かれます。母は車椅子生活を送りながら、いつも穏やかな笑顔を浮かべています。しかし、その笑顔が家族を静かに縛っているようにも見えます。姉は家を出ていますが、実家との関係を完全には断ち切れていません。
物語の怖さは、誰か一人が異常だと断定できない点にあります。兄だけでなく、父も母も、姉も、そして主人公自身も歪みを抱えています。読者は次第に「誰が一番まともなのか分からない」感覚に陥ります。
『住みにごり』は、日常の中に沈んだ感情や家庭の濁りを、少しずつ掘り起こしていく漫画です。派手さはありませんが、気づけば深く引き込まれていました。ネタバレを知っていても、実際に読むと印象が変わる作品だと感じています。
ストーリーの魅力
『住みにごり』の面白さは、はっきりした恐怖が見えないまま、不安だけが積み重なっていく構成にあります。幽霊や怪物は登場しません。舞台はごく普通の一軒家で、登場人物も特別な存在ではありません。それでも、ページをめくるたびに落ち着かない感覚が強まります。
原因は、家族の中に沈んだ感情の濁りです。兄は不気味に見えますが、実は一番素直です。父は乱暴で身勝手ですが、人間らしい弱さも抱えています。母は穏やかに振る舞いながら、家族を静かに縛る立場にいます。主人公の末吉も正義感を持ちながら、逃げる選択を繰り返します。
物語の大きな特徴は、読者の印象が何度も反転する点です。怖いと感じていた人物が、途中から違って見えます。逆に安心していた人物に疑問を抱く場面も増えます。この変化がとても自然で、感情を揺さぶられました。
テーマは「家族」と「責任」です。誰が向き合い、誰が目をそらしたのか。その積み重ねが現在の歪んだ関係を生んでいます。派手な事件に頼らず、日常の描写だけで緊張感を作り出す力は圧倒的です。
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登場人物紹介
『住みにごり』では、全員が物語の中心人物として描かれます。
誰か一人だけを異常扱いせず、それぞれの立場や弱さを丁寧に見せていきます。
西田 末吉(にしだ すえきち)
本作の主人公で、西田家の次男です。29歳で東京から実家に戻ってきました。常識的に見えますが、家族の問題に真正面から向き合う覚悟は揺らいでいます。読者に最も近い視点を持ち、物語を案内する役割を担います。
西田 フミヤ(にしだ ふみや)
35歳の長男で、長年無職の引きこもりです。ほとんど言葉を発しないため、序盤では強い不気味さがあります。ただ、読み進めると気遣いや優しさが少しずつ見えてきます。印象が大きく変わる、象徴的な人物です。
西田 長月(にしだ なつき)
西田家の長女です。すでに実家を出て生活しています。冷静で現実的な判断をしますが、問題を直接背負わない立場でもあります。その距離感が物語に複雑さを加えています。
西田 百子(にしだ ももこ)
母親で、脳出血の後遺症により車椅子で生活しています。穏やかな態度が印象的ですが、家族の関係を静かにコントロールしています。物語が進むほど存在感が増していきます。
西田 憲(にしだ けん)
父親です。酒癖が悪く、家庭内で暴力的な態度を取ります。外では女性関係にだらしない一面も描かれます。完全な悪役ではなく、弱さと情けなさを併せ持つ人物です。
森田 純夏(もりた じゅんか)
末吉の幼なじみです。再会をきっかけに物語へ深く関わります。西田家の外側から関係を揺さぶる存在で、後半の展開に大きな影響を与えます。
『住みにごり』を読んだ感想

正直、読み始めは少し重たく感じました。空気が暗く、登場人物も癖が強いです。ただ、読み進めるうちに視線が止まらなくなりました。
特に印象に残ったのは、兄の見え方が変化していく過程です。怖い存在だと思っていた人物に、人間らしさを感じる場面が増えます。その一方で、主人公や親の行動に違和感を覚える瞬間が多くなります。この逆転がとても巧みでした。
読んでいる間、自分の家族との関係を何度も考えました。誰もが少しずつ責任を避けた結果、問題が濁っていく様子がリアルに刺さります。楽しい気分になる漫画ではありません。それでも、強く記憶に残ります。
軽く読む作品ではないと感じます。ただ、忘れられない漫画を探している人には、静かにすすめたくなる一作です。
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『住みにごり』のレビューと評価
『住みにごり』は、評価が分かれやすい作品です。ただし、賛否の理由はとても分かりやすいです。口コミを読むと、同じポイントが繰り返し語られています。ここでは、読者の声を評価軸ごとに整理します。
ストーリーの評価
最も多い声は「先が読めない」「不気味なのに止まらない」という感想です。大きな事件が連続する展開ではありません。それでも、日常の違和感が積み重なり、緊張感が途切れません。一方で「気分が重くなる」「読む人を選ぶ」という意見も見られます。この息苦しさが魅力に感じられるかどうかで評価が分かれます。
作画の評価
作画については好みが分かれます。「きれい」「かわいい」といったタイプではありません。ただ、「この絵だからこそ怖い」「空気感に合っている」という評価が多いです。表情や間の取り方が独特で、不安を自然に強めています。読み進めるうちに気にならなくなったという声も目立ちます。
キャラクターの評価
キャラクター面は高評価が多いです。特に兄・フミヤについては「印象が変わる」「一番人間らしい」という意見がよく見られます。誰か一人に感情移入するというより、全員の歪みを少し離れた位置から見る感覚に近いです。この距離感がクセになるという声が多く集まっています。
作者の紹介(たかたけし)
『このマンガがすごい!2025』
「住みにごり」がオトコ編11位だそうです。選んでくれたみなさん、いつも読んでくれてるみなさんありがとうございました。
引き続きよろしくお願いいたします。 pic.twitter.com/bkQcy7QpkE
— たかたけし (@taka_takeshikun) December 11, 2024
『住みにごり』を描いているのは、漫画家のたかたけしさんです。小学館の青年漫画誌で連載を続けています。
たかたけしさんの作風は、人間の弱さや歪みを静かに描く点が特徴です。感情を大きく揺さぶる演出は控えめですが、その分、読後に残る感覚が強くなります。日常の中にある小さな違和感を拾い上げる描写が印象的です。
代表作には『住みにごり』のほか、デビュー作の『契れないひと』があります。どちらも、人間関係の息苦しさや、簡単に割り切れない感情をテーマにしています。派手さよりも、心に残る描写を大切にする作家だと感じました。
まとめ

『住みにごり』は、誰にでも気軽にすすめられる漫画ではありません。ただ、深く刺さる人には忘れられない作品になります。
家族という身近なテーマを通して、人間の濁った感情をここまで丁寧に描いた漫画は多くありません。ホラーのようでホラーではなく、サスペンスのようで完全なサスペンスでもない。その曖昧さが独特の魅力につながっています。
読後はスッキリしません。それでも、時間が経ってから思い出してしまう力があります。軽い娯楽を求める人には向きませんが、心に残る漫画を探している人には試してほしいです。
こんな方におすすめ
- 家族をテーマにした重めの漫画が好き
- 心理描写が濃い作品を読みたい
- 先の読めない展開に惹かれる
- 怖さと考えさせられる要素を両方楽しみたい
- 読後の余韻を大切にしたい
少しでも気になったなら、「住みにごり どこで読める」と調べてみてください。
覚悟を持って読むと、強く心に残る一作になるはずです。
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