『こういうのがいい』はどこで読める？｜ネタバレ感想レビュー

「恋愛って、どうしてこんなに疲れるんだろう？」

そんな気持ちを抱いたことがある人に、ぜひ読んでほしいのが『こういうのがいい』。

作者・双龍（そうりゅう）先生が描くこの作品は、“恋人でも友達でもない関係”をテーマにした、ちょっと大人のリアルを切り取った物語です。

出会いはオンラインゲーム。

そこから始まるのは、束縛も駆け引きもない、ゆるくて居心地のいい関係。

恋愛漫画のようにときめき全開ではないのに、なぜか心が温まる──そんな不思議な読後感を味わえます。

会話のテンポ、空気感、そしてお互いの“距離感の心地よさ”。

「こういう関係、ちょっと羨ましいかも」と思ってしまう読者も多いはずです。

恋愛や人間関係に少し疲れている人にこそ刺さる、“新しい形のつながり”を描いた一冊。

気になる人は、コミックシーモアで配信中なので、ぜひチェックしてみてください。

あらすじ・ネタバレ

主人公・村田元気（むらた もとき）は、束縛の強い恋人との過去にうんざりしていた社会人。

同じように恋愛に疲れを感じていた江口友香（えぐち ともか）と、オンラインゲームのオフ会で偶然出会います。

ノリが合いすぎる2人は、まるで長年の友人のように意気投合。

お酒を飲みながら語り合ううちに、恋愛ではなく“お互いが気楽でいられる関係”を求めていることに気づきます。

そしてそのまま、一夜を共にすることに。

けれど、翌日「付き合おう」と言い出すこともなく、恋人同士でもなく、ただ一緒に過ごすようになります。

それがこの物語の核となる関係──恋愛でも友情でもない、“フリーフレンド（自由な友達）”のようなつながり。

彼らの会話は、時に下品で、時に哲学的。

「普通だったらありえない」と思うような言動もありますが、どこかリアルで人間味がある。

友香の自由すぎる口調や、居酒屋での遠慮のないトークは賛否を呼びつつも、彼女の“飾らない魅力”をしっかり表しています。

読んでいると、恋愛の「こうでなきゃ」という型にはまらない関係の心地よさを感じます。

でも同時に、彼らが少しずつ“相手を思う気持ち”に気づいていく過程が、じんわりと胸に響くんです。

村田は「楽だから一緒にいる」と思っていたのに、友香が他の人と話しているだけで落ち着かなくなる。

友香もまた、そんな村田の無邪気な優しさに惹かれていく。

タイトルの『こういうのがいい』という言葉には、「恋愛の形にこだわらない」「無理をしない」「素の自分でいられる」――そんな現代的なメッセージが込められています。

恋に疲れた大人が、少しずつ“心地よい関係”を見つけていく。

読めば、きっとあなたも「こういうの、いいかも」と思うはずです。

ストーリーの魅力

『こういうのがいい』の一番の魅力は、恋愛の“正解”を押しつけないところにあります。

この物語は、付き合うでもなく、別れるでもなく、ただ「一緒にいたい」という気持ちだけでつながる男女の物語。

恋愛や結婚が当たり前ではない今の時代に、ぴったりハマる関係性が描かれています。

村田と友香の関係は、一見軽いようでいて、実はとても繊細。

「好き」という言葉を使わなくても、お互いを思いやっていることが伝わってくるんです。

セリフの掛け合いはテンポが良く、冗談まじりなのに妙にリアルで、思わず笑ってしまう場面も。

特に印象的なのは、“距離感”の描き方。

一緒にいるのにベッタリせず、ちゃんと自分の時間を持っている。

その心地よいバランスが、読んでいてすごく自然なんです。

「恋人同士ってこうあるべき」という固定観念から自由になった2人の関係が、とにかく新鮮。

そしてもう一つ、この作品の大きな魅力は“空気感”。

セリフだけでなく、ちょっとした仕草や間、沈黙のシーンからも感情がにじみ出ていて、

読んでいるとまるで2人の部屋にいるような感覚になります。

“恋愛未満の関係”を描きながら、ちゃんと“人と人のつながり”を感じさせてくれる。

そのやさしい空気に包まれるような感覚が、『こういうのがいい』という作品の大きな魅力です。

登場人物紹介

この作品には派手なドラマ展開はありません。

でも、登場人物たちの自然な言動や、さりげない気づかいの中に、リアルな“人間らしさ”が詰まっています。

ここでは主要キャラクターたちを紹介します。

村田元気（むらた もとき）

IT系の仕事をしている社会人男性。

過去の恋愛で束縛されることに疲れ、「もう恋愛は面倒だ」と感じていました。

性格は落ち着いていて、聞き上手。友香と出会ってからは、自然体でいられる時間を心から楽しんでいます。

彼の“穏やかで優しい雰囲気”が、読んでいてほっとするポイント。

江口友香（えぐち ともか）

ファミレスでバイトをしている女性。

明るく、ノリが良く、下ネタをさらっと言える自由人。

けれどその裏には、過去の恋愛でモラハラ彼氏に苦しめられた経験があり、「もう縛られたくない」という思いを抱えています。

強く見えて、実は心の奥に“さみしさ”を持つキャラクター。

彼女の天真爛漫さと繊細さのギャップが、物語を一層魅力的にしています。

今下伊好（いました いよし）

村田の職場の上司。

クールで仕事ができる女性ですが、どこか不器用な一面もあります。

彼女の存在が、村田と友香の関係に微妙な変化をもたらすきっかけになる場面も。

サブキャラながら、物語に深みを与える重要な存在です。

江口徳子（えぐち のりこ）

友香の姉で、しっかり者の常識人。

妹の自由奔放な生き方にあきれつつも、陰で支えている優しい女性。

姉妹の会話から、家族としてのつながりのあたたかさが感じられます。

伊藤寿哉（いとう ひさや）

友香のバイト先の後輩。

真面目で少し不器用ですが、友香に密かに好意を寄せています。

彼の登場によって、村田の中にほんの少しの“嫉妬”が芽生えるなど、人間関係のゆらぎを描くスパイス的な存在。

読んだ感想

読み終わったあと、なんだか不思議と心が落ち着きました。

この作品には、派手な恋愛ドラマや劇的な展開はありません。

でも、だからこそリアルで、読んでいて“居心地の良さ”を感じるんです。

村田と友香の関係は、普通の恋人とは違います。

お互いを束縛せず、無理をしない関係。

それなのに、どこかでちゃんと相手を思っているのが伝わってくる。

その微妙な距離感が本当に絶妙で、「こういう関係もいいな」と思ってしまいました。

特に印象に残ったのは、友香のセリフの数々。

一見ふざけているようで、実はとても深いことを言っているんです。

「誰かに合わせるのって、疲れるんだよね」

この一言に、現代の恋愛の息苦しさを感じている人なら共感せずにはいられないと思います。

絵柄も柔らかく、エッチなシーンもいやらしさより“温度”を感じます。

それはたぶん、作者・双龍さんの“人のぬくもりを描く力”があるから。

『こういうのがいい』は、ただの恋愛漫画じゃありません。

人との距離感、自分らしさ、そして「誰かと生きる」ことの意味を考えさせてくれる、温かくて少し切ない物語です。

恋愛に疲れた人、誰かと“ちょうどいい関係”を築きたい人に、ぜひ読んでほしい作品です。

レビューと評価

『こういうのがいい』は、恋愛漫画でありながら“恋愛の正解を描かない”作品です。

だからこそ、読む人の感じ方が大きく分かれています。

「こんな関係、羨ましい！」という声もあれば、「これはちょっと理解できない…」という意見も。

でも、どのレビューにも共通しているのは「印象に残る」ということ。

ここでは、ストーリー・作画・キャラクターの3つの視点から読者のリアルな評価をまとめます。

ストーリーの評価

多くの読者が口を揃えて「現代っぽい」と評しています。

恋愛に縛られず、無理をしない関係性は、今の時代にフィットしていると感じる人が多いようです。

「恋人でもなく、他人でもない、心地よい関係が羨ましい」といった共感の声も。

一方で、「男に都合がよすぎる」「現実には成立しない」といった厳しい意見もありました。

それでも、「恋愛に疲れた心が軽くなった」「読んだ後に考えさせられる」と、一歩引いた視点から楽しむ読者も多く、単なる恋愛漫画とは一線を画しています。

作画の評価

絵については全体的に高評価です。

「やわらかくて癒される」「キャラの表情が自然でかわいい」という感想が目立ちます。

特に友香の表情の豊かさや、2人のちょっとした仕草の描写が“リアルで温かい”と好評。

エッチなシーンもありますが、いやらしさより“親密さ”を感じさせる描き方が魅力。

「丁寧に描かれた人間関係が絵にも表れている」という感想が印象的でした。

キャラクターの評価

キャラクターに関しては、好みが分かれやすい部分。

「自由で明るい友香が好き」「こんな人と友達になりたい」といった声がある一方、「口調が気になる」「リアルでは少し無理」と感じた人も。

ただ、「2人の関係性が絶妙」「村田の落ち着いた優しさに共感できる」という声も多く、全体として“人間味のあるキャラ描写”が評価されています。

恋愛の理想像よりも、“こういう関係もアリだよね”と感じさせる等身大のキャラたちが、この作品の強みです。

作者の紹介

友香最強 pic.twitter.com/QBIsNXaLas

— 双龍 (@Souryu_std) May 19, 2025

この作品を描くのは、漫画家の双龍（そうりゅう）さん。

『間違った子を魔法少女にしてしまった』など、個性的で深みのある作風で知られています。

双龍さんの魅力は、「空気感」と「距離感」を描くのが上手いところ。

キャラクターが何を考えているのかを、セリフよりも“表情”や“間”で表現するのがとても巧みです。

本作でも、村田と友香の会話には“余白”があって、その沈黙にこそリアルがあるんですよね。

また、作画はやわらかく、温度を感じるタッチが特徴。

少しエッチなシーンも、いやらしさではなく「人のあたたかさ」を描いているのが印象的です。

恋愛の表と裏、愛と孤独を繊細に描く作家であり、読む人の心に“じんわり残る”作品を届けてくれる漫画家です。

まとめ

『こういうのがいい』は、恋愛のようで恋愛じゃない、でも“人を好きになる”という気持ちの根っこを描いた作品です。

村田と友香の関係は、付き合っているわけでも、体だけの関係でもない。

ただ、「一緒にいると楽しい」「この人といると落ち着く」――その感覚を丁寧に描いています。

派手な展開はないけれど、読んでいると心がやわらかくなるような不思議な魅力があるんです。

恋愛に疲れた人、誰かとほどよい距離で繋がりたい人、そんな人の心に寄り添ってくれる“癒し系ラブストーリー”。

タイトルの「こういうのがいい」という言葉の意味を、きっとあなたも読み終えたときに実感するはず。

『こういうのがいい』は、コミックシーモアで配信中。

読んだ後に、ふと「こういう関係、いいかもな」と感じられる作品です。

恋愛のカタチにとらわれず、“自分らしい幸せ”を探している人に、ぜひおすすめします。

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